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8020運動って何?かとう歯科が実践する“生涯自分の歯”を守る方法

こんにちは。群馬県みどり市のかとう歯科 院長の加藤です。
診療をしていると、年齢を重ねた患者さんから「できるだけ自分の歯でご飯を食べ続けたい」という声をよく伺います。実は、この願いを形にしたような目標が「8020運動」です。聞いたことはあっても、「具体的に何を目指すのか」「自分には関係があるのか」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、8020運動の意味や背景をわかりやすく整理しながら、かとう歯科が日々の診療の中でどのように“生涯自分の歯を守る”お手伝いをしているかをお伝えします。医療広告ガイドラインに配慮しつつ、一般的な考え方と当院の取り組みをご紹介しますので、ご自身やご家族の将来を考える参考にしていただければ幸いです。
目次
- 1.8020運動とは何か
- 2.なぜ自分の歯を残すことが大切なのか
- 3.群馬・みどり市の生活と8020運動
- 4.かとう歯科が大切にしている予防の考え方
- 5.年代別に見る“自分の歯を守る”ポイント
- 6.自宅でのケアと歯科医院でのケアの役割分担
- 7.8020を目指すために今日からできること
- 8.まとめ 8020は特別な人の目標ではありません
1.8020運動とは何か
8020運動とは、80歳になったときに自分の歯を20本以上保とうという取り組みです。噛むために必要な最低限の歯の本数が、おおよそ20本と言われていることからこの数字になりました。日本では、行政や歯科医師会などが中心となり、長年にわたり8020達成者を増やすための啓発活動を続けています。
かつては「歳をとったら歯を失うのは仕方がない」と考えられがちでしたが、近年は予防やメンテナンスの意識が広がり、実際に8020を達成する方も増えてきています。ただし、何もしなくても自然に達成できる目標ではありません。若い頃からのむし歯予防や歯周病対策、生活習慣の見直しなど、長い年月の積み重ねが大切になります。
2.なぜ自分の歯を残すことが大切なのか
自分の歯を残すことの一番わかりやすい利点は、食事をしっかり噛めることです。よく噛むことで食べ物が細かくなり、消化を助けます。また、噛むという動きそのものが脳への刺激になり、全身の活動性に関わると考えられています。
歯が少なくなると、柔らかいものばかり選ぶようになり、栄養が偏りやすくなります。肉や野菜、果物など、かみにくい食品から自然と足が遠のき、気づかないうちに体重が減ったり、体力が落ちたりすることもあります。見た目や発音にも影響するため、人前で話したり笑ったりすることに抵抗を感じ、外出や交流の機会が減ってしまう方もいます。
もちろん、義歯やインプラントといった補綴治療で噛む機能を補うことは可能ですが、自分の歯が多いほど、感覚の面でも細かな調整の面でも有利です。8020運動は、「80歳まで義歯がいらないようにしましょう」という意味ではなく、「できるだけ多くの自分の歯を残しながら、必要に応じて補う治療を上手に組み合わせましょう」という考え方の目安ととらえていただくと良いと思います。
3.群馬・みどり市の生活と8020運動
群馬県は車移動が中心の地域であり、都市部と比べると一日の運動量や生活リズムのパターンが少し違う面があります。通勤時間が長い方、仕事で不規則な生活になりがちな方、自営業や農業をされていて休みが取りづらい方など、定期的な通院のハードルを感じるケースも少なくありません。
その一方で、自宅でゆっくり食事を取る習慣がある方も多く、毎日のケアを取り入れる余地は十分にあると思います。8020を目指すうえで重要なのは、「完璧なケアを一気に目指す」のではなく、「今の生活の中で続けられる工夫」を見つけることです。みどり市や周辺地域の生活リズムに合わせた現実的な予防計画を、一緒に考えていくことが大切だと感じています。
4.かとう歯科が大切にしている予防の考え方
かとう歯科では、むし歯になった箇所をただ治療して終わりにするのではなく、「なぜそこにむし歯ができたのか」「これからどうすれば同じようなトラブルを減らせるのか」を一緒に考えることを重視しています。8020という目標は、一本一本の治療の延長線上にあるからです。
具体的には、定期検診での歯周病のチェック、歯石や着色の除去、磨き残しの癖を把握するための染め出し、食習慣や間食のタイミングに関するヒアリングなどを通して、その方のリスクの傾向を把握します。そのうえで、三か月、四か月、半年といった通院間隔を一律に決めるのではなく、年齢やお口の状態、生活背景に応じて調整していきます。
治療が必要な部分に関しても、歯を大きく削り過ぎないこと、歯ぐきや骨の状態を考慮した設計にすること、将来のやり直しも見据えた材料選びをすることなど、できるだけ「歯の寿命を延ばす」視点で選択するよう心がけています。
5.年代別に見る“自分の歯を守る”ポイント
8020は高齢期だけの話ではありません。子どもの頃からの積み重ねが、将来残せる歯の本数に大きな影響を与えます。
子どもの時期は、むし歯予防とともに、正しいブラッシング習慣やおやつのとり方を身につけることが大切です。乳歯のむし歯を早くからコントロールすることで、永久歯が健全に生えてくる環境を守ることにもつながります。保護者の方との情報共有や仕上げみがきのコツをお伝えすることも、将来の8020に向けた第一歩です。
働き盛りの世代では、忙しさから受診が後回しになりがちです。この時期に進行する歯周病は、自覚症状が乏しいままじわじわと進むことが多く、気づいたときには歯を支える骨がかなり減っていたというケースもあります。定期検診の間隔や内容を、その方のリスクに合わせて調整しながら、仕事と両立できる現実的な通院計画を組むことが重要です。
シニア世代では、これまでの治療歴や義歯の有無、全身の病気や服薬状況まで視野に入れながら、お口の中をトータルで管理していきます。残っている歯を少しでも長く使い続けるために、噛み合わせの調整や義歯の細かな調整、口腔乾燥への対応などを行い、食事や会話のストレスを軽減していくことが8020達成に近づく道だと考えています。
6.自宅でのケアと歯科医院でのケアの役割分担
8020を目指すうえで、自宅でのケアと歯科医院でのケアにはそれぞれ役割があります。自宅では、毎日の歯磨きやフロスの使用、間食のタイミングや喫煙習慣の見直しなど、生活に密着した部分をコントロールしていきます。特別なことをする必要はありませんが、「自分にとって無理なく続けられるやり方」を一緒に探すことが重要です。
一方で、歯科医院でのケアは、自宅のケアだけでは取りきれない歯石やバイオフィルムの除去、歯周ポケットの状態の評価、噛み合わせのチェックなど、専門的な視点からの点検が中心です。レントゲンや口腔内写真を用いることで、患者さんご自身では見えない部分の変化も把握できます。
どちらか一方だけでは8020に近づくことは難しく、両者を適切に組み合わせることが大切です。通院のたびに「何をしてもらうか」だけでなく、「自宅で何を工夫するか」まで一緒に考えることで、8020という目標が現実的な距離感のものになっていきます。
7.8020を目指すために今日からできること
8020という言葉を聞くと、「もう歳だから無理かもしれない」「若い頃からもっと気を付けておけばよかった」と感じる方もいるかもしれません。しかし、何歳からでもできることは必ずあります。新しく増やすことよりも、「これ以上悪くしないこと」「今の状態を少しでも長く維持すること」に目を向けるだけでも、目標との距離は変わります。
今日からできることの例としては、寝る前の歯磨きの時間を少しだけ長く取ってみる、歯ブラシだけでなくフロスや歯間ブラシを取り入れてみる、甘い飲み物をだらだら飲み続けないように意識する、痛みがなくても一度検診を受けて現状を把握してみる、などがあります。どれも大きなことではありませんが、こうした小さな行動の積み重ねが、将来の歯の本数に直結していきます。
8.まとめ 8020は特別な人の目標ではありません
8020運動は、一部の人だけを対象にした特別な取り組みではなく、誰にとっても意味のある目標です。80歳で20本の歯を残すこと自体が目的なのではなく、その過程で身についた習慣や、定期的に口の状態を振り返る習慣が、結果として全身の健康や生活の質を支えていきます。
かとう歯科では、8020達成をお約束することはできませんが、患者さん一人ひとりが「自分の歯でできるだけ長く食事を楽しめるように」という目標に近づけるよう、現実的な予防と治療の計画を一緒に考えていきたいと考えています。むし歯や歯周病の治療だけでなく、今後の見通しや日常生活での工夫まで含めて、ご相談いただければ幸いです。
みどり市や周辺地域で8020運動に関心をお持ちの方、将来の歯の本数が心配な方は、痛みがなくても一度お口の状態を確認しにいらしてください。現在の状態を丁寧に説明し、どのようなペースで何に取り組めば良いかを一緒に考えていきましょう。
群馬県みどり市大間々町にある歯科医院
『かとう歯科』
住所:群馬県みどり市大間々町大間々566−1
TEL:0277-46-6480


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